2018年 12月 02日
12月1日(土曜)、晴れ。 『特別展 ウィリアム・ガウランドと日本の古墳研究』を見学すべく、駿河台/明治大学博物館へ。 9月のまだ暑い頃、盟友、伊豫守さんから「明治大学の博物館で上総の好きそうな催しがあるそうや。詳しくは自分で調べてください」とのメールが到来。 ネット検索してみたところ、「特別展 ウィリアム・ガウランドと日本の古墳研究 2018年10月13日(土)~12月2日(日) 会期中無休 明治大学博物館特別展示室」とあり。 誠に有難い情報であった。 誠に有難い情報といえば、5月、盟友、備前守さんから「今、壱岐にいます、壱岐は古墳だらけです。私は古墳めぐりに来た訳ではないけれど」との電話があった。 これも誠に有難い情報。 ちょうど、4月の遠賀川流域装飾古墳探訪の続編として、筑後川流域装飾古墳探訪を目論んでいた頃で、壱岐島古墳探訪もプランに加えることにし、10月に挙行したのであった。 これらは、皆さんに我が趣味を存じて戴いていたお陰で、よき情報を戴けたということを大いに感謝するのであった。 明治大学アカデミーコモン/上階案内板「地下1階特別展示室で開催中↓」。 観覧料金300円也を支払い、特別展示室内へ。 特別展示室内は撮影禁止。 記録として、入口とその付近の展示物をカメラに収める。 「ガウランドが発掘調査した芝山古墳の石室」(縮尺2/3)。 --------------------------------------------- ガウランドが発掘調査した芝山古墳の石室 明治時代に日本の古墳を研究したウィリアム・ガウランドは、日本で初めて石室の中を20か所に区切り、それぞれの区画にどのような土器や鉄でできた武器、アクセサリーや人骨が出てきたのかを細かく記録しました。 この記録と出土品は、ロンドン・大英博物館で130年にわたって大切に保管されています。 ガウランドが細かい調査の記録をとり、出土品を残してくれたおかげで、現代の研究者が現在の研究方法で再度分析することができます。 ガウランドが、だいえいはくぶつかんに残してコレクションは、調査の記録と出土品の保存がいかに大切なことなのかを、いまの私たちに教えてくだます。 --------------------------------------------- この解説文を読んだだけで、ウィリアム・ガウランドが「日本考古学の父」と呼ばれる所以がよく分かる。 小生が、親しみをもっているお雇い外国人は、「日本近代建築の父」、ジョサイア・コンドル、利根運河の建設などに貢献した土木技師、ローウェンホルスト・ムルデルの二人がいたが、新たに、ウィリアム・ガウランドが加わった。 入口案内板。 大阪府塚原古墳群の石室に立つガウランド。
(明治大学アカデミーコモン/上階案内板よりトリミング) 特別展示室に入室、見学。 特別展示室内は撮影禁止なので、個々の展示物についは割愛するが、明治大学ホームページ掲載の本特別展に関する紹介記事と、伊豫守さん(cc:備前守さん)宛ての特別展の様子を綴った礼状メールを、記録として、ここに転載しておきたい。 --------明治大学ホームページ、紹介記事-------- 特別展 ウィリアム・ガウランドと日本の古墳研究 日本アルプスの命名者としても知られる、英国人技師・ガウランド(William Gowland, 1842-1922)は、明治5(1872)年に来日し、大阪・造幣局に勤めながら数百基に及ぶ日本各地の古墳を調査し、精密な測量図や写真などの記録に基づいた研究論文を帰国後に発表しました。 彼の研究は、日本の古墳研究の先駆けとして高く評価されていますが、その全体像はベールに包まれたままでした。 今回は、ガウランド・コレクションを収蔵する大英博物館の全面的な協力を得て、ガウランドが収集した古墳出土資料や彼が作成した調査図面、アーネスト・サトウをはじめとする当時の研究者との交流を示す手紙、古墳を撮影した写真といった資料に国内の関連資料を交え、最新の研究に基づいたガウランドの古墳研究の実像に迫ります。 大英博物館のコレクションは、日本国内では初めての公開となるのはもちろんのこと、大英博物館でも未公開であった貴重な資料が含まれます。 この機会にぜひご覧ください。 主催:明治大学博物館 協力:日英共同調査グループ・Gowland Project 後援:朝日新聞社 助成:芸術文化振興基金助成事業 --------------------------------------------------- ----------12月2日付け礼状メール---------- 伊豫守殿 cc:備前守殿 おはようございます。 明治大学博物館「ウィリアム・ガウランドと日本の古墳研究」。 昨日、行って来ました。 もっと早くに行きたかったのですが、学芸員のギャラリー・トーク付きが限定日となっており、なかなかその日に都合が合わず、千秋楽の1月日前ということに相成りました。 内容は誠に結構なもの。 ウィリアム・ガウランド(ゴーランドとの表記もあり)は明治期に来日したお雇い外人の化学兼冶金技師(銅の専門家)。 大阪造幣寮(現在の造幣局)に勤める一方、山登りに熱中。「日本アルプス」の命名者でもあるという。 来日後、3年ほど、山登りに熱中したあと、或ることがきっかけで古墳に興味を持ち、山登りの興味は薄れ、仕事の傍ら、各地の古墳を訪ね、調査。「日本考古学の父」とも呼ばれている。 1872年、30歳で来日し、1888年に帰国。 お雇い外人の中で16年も滞在した人は珍しい(因みに、我が敬愛する、「日本近代建築の父」、ジョサイア・コンドル(1852年-1920年)は日本人と結婚し、日本で没し、護国寺に夫妻の墓があります)。 帰国後、来日前に勤務していた精銅会社に復帰し、仕事の傍ら、ストーンヘンジの発掘、解体、研究、復旧復元。 展示物のうち、大英博物館から借りたものが14点。 大英博物館には1000点以上のガウランドが残した資料(紙資料のほかに、写真のガラス板ネガもあり)が所蔵されているとのこと。 大英博物館から貸し出される資料は10点までとの規定があるとのことだが、今回は特別に14点を借りることが出来たとのこと。 展示物を見ながら、説明パネルを読む、これが博物館や資料館での通常のパターン。 しかし、学芸員の解説付きとなれば、ぐっと理解が深まる、記憶に残ることとなります。 古墳探訪の折、資料館が隣接している場合、受付で学芸員さんの説明をお願いしますと頼むことを常としています。 今回の学芸員さんは、古墳のことのみならず、ガウランドそのものについても研究しているようで、誠に的を得た解説でありました。 暑い頃でありましたか、伊豫守さんから、明治大学の博物館で上総の好きそうな催しがあるようやで、詳しいことは調べてください、との情報を頂戴し、結果、古墳とストーンヘンジ、日本と英国がつながり、何だか嬉しく思っております。 5月には、備前守さんから、今、壱岐にいます、壱岐は古墳だらけです、との情報も頂戴し、筑後古墳探訪プランに壱岐古墳探訪プランも加え、10月に実行することも出来ております。 皆さんに我が趣味を存じて戴いていたお陰で、よき情報を戴けたということ、感謝!感謝!であります。 =追伸= 明治大学博物館は常設展示場(無料)もありました。 カテゴリー別に様々なものが展示されていました。 古墳出土品を見学。ギロチンや拷問の道具などの展示も見学。 ・・・ギロチンを見ると、フランス人ちゅうのは、という思いになります。 ・・・フランス革命のみならず、若い頃、アラン・ドロンがギロチンで処刑される映画を観たことも思い出します。 ・・・何という映画だったかと調べてみたら、「暗黒街のふたり」(1973年)でありました。 阿久悠記念館(無料)もあります。・・・さらっと見る程度の展示ですけどね。 明大はお金持ち、こんな施設を持っているんですから。 W大の博物館といえば、演劇博物館、建物は見学する価値ありと思うのですが、資料は...。 R大はどんなものがあるのか興味あるところです。 大学博物館めぐりでもやろうかな...。 上総 -------------------------------------------- 特別展示室から、次は常設展示室へ。 フォト:2018年12月1日 (つづく)
by ryujincho
| 2018-12-02 23:31
| 明治大学博物館/ウィリアム・ガウランド展
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