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龍人鳥の徒然フォト日記

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2018年 10月 23日

『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37

10月20日(土)、晴れ。

この日のプランは、八女古墳群探訪+アルファ。

八女古墳群を西から東へ。
「石人山古墳」、「弘化谷古墳」、隣接の「広川町古墳公園資料館」を見分、見学。
続いて、岩戸山古墳へ。岩戸山古墳。隣接の「八女市岩戸山歴史文化交流館 いわいの郷」を見学。
先ず、筑紫君磐井とヤマト政権の関わりについて、パネル資料でベンキョー。
続いて、石人・石馬などの石製品を見学。
続いて、埴輪や装飾品などの出土品を見学。

埴輪。
人物埴輪3点
右/壺を持つ女子 古墳時代 6世紀 立山山13号墳出土
央/美豆良(みずら)を結った人物 古墳時代 6世紀 立山山8号墳出土
左/鞍に乗った貴人 古墳時代 6世紀 立山山13号墳出土
(注:展示パネルは無関係にてモザイク)
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_01241928.jpg

壺を持つ女子 
古墳時代 6世紀 立山山13号墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_01295595.jpg

美豆良(みずら)を結った人物 
古墳時代 6世紀 立山山8号墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_01302143.jpg

鞍に乗った貴人 
古墳時代 6世紀 立山山13号墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_01304713.jpg

少しアップで。
貴人の風貌である。
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_01313470.jpg

馬形埴輪3点
右/馬形埴輪 古墳時代 6世紀 立山山8号墳出土
央/馬形埴輪 古墳時代 6世紀 カクチガ浦10号墳
左/馬形埴輪 古墳時代 6世紀 岡寺古墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_01402962.jpg
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_01472314.jpg


前話で「これまで、各地で、人物埴輪、動物埴輪、器財埴輪、家形埴輪などの形象埴輪を見分してきたが、ここ、『八女市岩戸山歴史文化交流館 いわいの郷』において、ヤマト政権に対抗して、埴輪に代わる、巨大な石人・石馬などの石製品を製作した九州豪族の<心意気>を見た気がした。つらつら考えるに、埴輪を製作するには、素材の土に加え、窯をつくる必要がある。一方、この地においては、阿蘇溶結凝灰岩が容易に手に入ることから、石製品も容易に製作できたのであろう」と綴った。
ということで、巨大な石製品に目が向いてしっていたが、埴輪も製作されていたのである。

続いて、装飾品などの出土品を見学。
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_16031358.jpg
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_02162817.jpg

『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_02170955.jpg

『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_02173007.jpg

展示物の幾つかをハイライトして。

右/人物埴輪頭部 古墳時代 6世紀 乗場古墳出土
左/単鳳環頭大刀柄頭(たんほうかんとうたちつかかしら) 同上
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_02263962.jpg

右/馬具破片 古墳時代 6世紀 鶴見山古墳出土
左/銅鏡破片(ヒメクロバエ蛹跡付着)古墳時代 6世紀 鶴見山古墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_02325019.jpg

左、下段の解説文に目を通す。
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殯(もがり)とヒメクロバエの蛹跡
「殯」は今のお通夜と同じで、亡き人をあの世に送る儀式です。
ただ、現代と異なるのは2週間ほど遺骸をそのままにしておくことです。
遺骸はすぐに腐食し、身体全体をウジが覆います。
やがてウジは蛹になりますが、この蛹跡はその痕跡なのです。
この後、遺骸は石室に入れられますが、この光景は日本書紀 神代 上「黄泉の国」に書かれているイザナミのウジだらけの姿が思い出されます。
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各地の資料館で、棺と棺に納められた被葬者の姿を再現したレプリカを見ることがある。
被葬者は衣服や髪を整え、被葬者の周辺には副葬品が置かれている。
しかし、この「殯(もがり)とヒメクロバエの蛹跡」の解説文を読むと、レプリカとは大いに異なるイメージとなる。

短甲 古墳時代 5世紀 本6号墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03053288.jpg

昨年4月、群馬県渋川市の遺跡探訪の際、群馬県埋蔵文化財センター/発掘情報館に立ち寄った。
金井東裏遺跡(群馬県渋川市)で発見された、榛名山の6世紀初頭の火砕流で埋まった「甲(よろい)を着た古墳人」を見学した。
以来、「甲(よろい)」を見ると、「甲を着た古墳人」の、地面に跪き、祈るような姿を思い出すのである。
そんなこともあって、「短甲」をアップで。
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03163248.jpg
出土品3点
上段、右/鏡板付轡上段、 古墳時代 6世紀 釘崎3号古墳出土
上段、左/轡 同上
下段/鉄鏃 同上
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_15065101.jpg

出土品3点
上段、右/辻金具 古墳時代6世紀 釘崎3号墳出土
上段、左/平縁四乳文鏡(ひらぶちしにゅうもんきょう)同上
下段/単龍環頭大刀(たんりゅうかんとうたち)同上
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_15181127.jpg

大刀の環頭をアップで。
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_15191803.jpg

出土品4点(馬具)
上段、右/鞍金具 古墳時代 6世紀 東館遺跡6号墳
上段、央/金銅製杏葉(ぎょうよう) 同上
上段、左/鉸具(かこ) 同上
下段/貝飾付銅製辻金具 同上
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_15284243.jpg

馬具の種類と名称
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_15435931.jpg

出土品
上段/鉄地金銅張帯金具 古墳時代 6世紀 東館遺跡6号墳出土
下段、右/ガラス玉 同上
下段、左/銅地金金張耳環 同上
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_15443567.jpg

出土品
鏡板付轡 古墳時代 6世紀 南中学校校庭遺跡出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_15445443.jpg

出土品
上段、右/猿面 古墳時代 6世紀 立山山8号墳出土
上段、左/人物埴輪(頭部) 古墳時代 6世紀 立山山13号古墳
下段、右/イレズミのある人物 同上
下段、左/人物埴輪(右手) 同上
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_16073425.jpg

出土品
上段、右/鉸具(かこ) 古墳時代 6世紀 立山山8号墳出土
上段、央/轡 古墳時代 6世紀 立山山13号墳出土
上段、左/鞖(しおで) 同上
下段、右/鎌 同上
下段、左/挂甲小札(けいこうこざね)古墳時代 6世紀 立山山8号墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_16080787.jpg

出土品
上段、右/銅地金張耳環 古墳時代 6世紀 立山山13号墳出土
上段、左/同上
中段、央/金製垂飾付耳飾 古墳時代 6世紀 立山山8号墳出土
下段、右/銅地銀張耳環 古墳時代 6世紀 牛焼谷3号墳出土
下段、央、右/水晶製切子玉 立山山8号墳出土
下段、央、左/銅地金張耳環 古墳時代 6世紀 牛焼谷1号墳出土
下段、左/銅地金張耳環 古墳時代 6世紀 岩戸山4号墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_16094520.jpg

出土品
上段、右/直口壺 古墳時代 6世紀 立山山13号墳出土
上段、央/はそう(漢字は「瓦」に「泉」) 同上
上段、左/提瓶(さげべ) 同上
下段、右、央/坏身・坏蓋(つきみ・つきふた) 同上
下段、左/子持ち壺 同上
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_16103546.jpg


右/器台 古墳時代 6世紀 立山山13号墳出土
央/馬の透かしのある器台 同上
左/器台 古墳時代 6世紀 八女古墳群出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_16110415.jpg

石製品と埴輪が鶏形と猪形で<揃い踏み>。
こうした展示の仕方は、埴輪と石製品の見比べが出来るので、なかなかよい。
奥から、猪形埴輪、鶏形埴輪・水鳥形埴輪、石鳥、石猪?、水鳥石。
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03123260.jpg

鶏形・水鳥形埴輪(右)と鶏石(左)。
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03033525.jpg

鶏形埴輪・水鳥形埴輪
上段、右/鶏形埴輪 古墳時代 6世紀 岡寺古墳出土
上段、左/鶏形埴輪 古墳時代 6世紀 岩戸山古墳出土
下段/水鳥形埴輪 古墳時代 5世紀 伝 石人山古墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03224424.jpg


鶏形・水鳥形埴輪をアップで。
鶏形埴輪は岡寺古墳出土(右)と岩戸山古墳出土(左)で、出土古墳は異なるが、親子のように見えて、気に入っている。
水鳥形埴輪は小動物のように見え、角度を変えて撮ってやればよかっと、ちょいと後悔。
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03402716.jpg

石鶏
古墳時代 6世紀 岩戸山古墳隣接地出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03503947.jpg

石鶏をアップで。
埴輪に比べ、石鶏は厳しい面立ち。
耳は線刻でしっかりと表現されている。
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03522750.jpg

猪形埴輪
右/古墳時代 6世紀 立山山8号墳
左/古墳時代 6世紀 岡寺古墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03565449.jpg

石猪?
古墳時代 6世紀 岩戸山古墳付近個人宅敷地内出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_03595158.jpg

石水鳥
古墳時代 6世紀 岩戸山古墳出土
『壱岐島・筑後川流域古墳めぐり/五日目、八女古墳群/岩戸山古墳(Ⅲ)』 kk-37_a0289546_04020512.jpg

知らない古墳が登場した。
調べてみた。
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立山山古墳群(福岡県八女市本字立山・・・八女古墳群の南側一帯)
・5世紀~6世紀
・総数40基以上が確認されている。
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カクチガ浦10号墳(福岡県筑紫郡那珂川町)
・5世紀中葉~後半
・円墳
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岡寺古墳(佐賀県鳥栖市田代本町)
・6世紀前半
・前方後円墳
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本6号墳(=真浄寺2号墳、八女市本)
・本古墳群、7基のうちのひとつ
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東館遺跡6号墳
※住所は不明
※パネル資料の中に位置図あり・・・第38話で掲載
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南中学校校庭遺跡(福岡県八女市馬場)
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牛焼谷1号・3号墳
※所在地不明
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このコーナーで、最も興味深かったのは;
・銅鏡破片(ヒメクロバエ蛹跡付着)
・解説文「殯(もがり)とヒメクロバエの蛹跡」
・鶏、水鳥、猪などの石製品と埴輪の並列展示
・八女古墳群の南側に40数基からなる立山山古墳群の存在
など。

次のコーナーへ。

フォト:2018年10月20日

(つづく)


by ryujincho | 2018-10-23 23:37 | 秋の九州史跡めぐり 2018 | Comments(0)


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