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龍人鳥の徒然フォト日記

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2017年 09月 03日

『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1

8月29日。
洞爺湖湖畔の洞爺湖温泉、壮瞥温泉を過ぎ、南へ向かう。
昭和新山が見えて来た。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_1074724.jpg
昭和新山。
1943年(昭和18年)12月28日、壮瞥町周辺で最初の有感地震が起こり、以降、地震が頻発。
翌1944年(昭和19年)初めから、フカバ集落の湧水の温度上昇、洞爺湖に渦巻きが発生、フカバ集落周辺で隆起活動が続く。
6月23日、東九万坪台地で遂に大噴火が起こり、以降、10月30日まで17回の大噴火を繰り返し、17次の大噴火をもって降灰の伴う噴火は収束し、1945年(昭和20年)9月20日、全活動が停止した。
こうして、有珠山の麓にあった平地に火山が形成されたのであった。
山肌が赤色に見えるのは、かつての土壌が溶岩の熱で焼かれて煉瓦のように固まったからである。

山肌の赤色をアップで。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_10292599.jpg
ロープウェイに乗り、有珠山山頂へ。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_10305822.jpg
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_10313247.jpg
山頂は霧、霧、霧。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_1032556.jpg
先ず、洞爺湖展望台へ。
本来なら、眼下に昭和新山、左手の彼方に洞爺湖が一望できるそうだが、霧で何も見えない。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_10365249.jpg
昭和新山の形成過程に関わる解説を聞く。
ガイドさんからは、壮瞥郵便局長であった三松正夫氏の観察記録を中心に説明があった。

昭和新山形成過程のスケッチ。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_10555169.jpg
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_10561788.jpg
「昭和新山隆起圖(昭和18年12月~昭和20年12月)」。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_10593551.jpg
新火山の誕生は、1948年(昭和23年)、オスロで開かれた世界火山会議において報告され、そのときに提出された隆起図は世界で唯一の火山誕生の記録として評価され、ミマツダイヤグラムと命名された。

三松正夫氏とミマツダイヤグラムに敬意を表して、アップで。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_111229.jpg
「活動の様子を観測する三松正夫さん 現在の滝之町三叉路にあった郵便局裏から」。
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_111399.jpg
『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_1115793.jpg
戦争中のことなので、十分な観測器具がなく、隆起の高低が分かるように基準線となる糸を張ったという(図の赤い線がそれ)。

ガイドさんからこのような説明を聞くまで、三松正夫氏のことは全く知らなかった。
当地を訪ねていなければ、知らないままで終わっていたかもしれない。
齢を重ねても知らないことは多々あり、当地を訪ねてよかったと思った。

『有珠山・昭和新山(上)/ミマツダイヤグラム』 us-1_a0289546_1134772.jpg
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昭和新山は、昭和18年(1943年)の有珠山噴火で誕生した火山です。
粘性の高い溶岩が冷えて形成された溶岩ドームは、世界的にも珍しい例です。
個人の所有でありながら、国の特別天然記念物に指定されています。
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「昭和新山は個人の所有」とある。
1946年(昭和21年)、三松正夫氏が私財を投じて土地ごと購入し、天然記念物への申請などの保護に努めた。
1951年(昭和26年)、国の「天然記念物」に指定され、1957年(昭和32年)、国の「特別天然記念物」に指定された。
昭和新山は現在も三松家の私有地である。

フォト:2017年8月29日

(つづく)

by ryujincho | 2017-09-03 23:40 | 北海道2017 | Comments(0)


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