2016年 09月 17日
9月3日。 男鹿半島。 なまはげ太鼓ライブ。 奏者は、和太鼓集団『恩荷(おんが)』。 序奏。 会場:男鹿温泉郷交流会館「五風」/ふれあいホール 奏者:なまはげ和太鼓集団「恩荷」 演目:「神参(しんざん)」、「陽照弐翔(ひでにしょう)」、「島風(しまかぜ)」 なまはげは、男鹿地方で行われる伝統的な行事。 「男鹿のナマハゲ」として、国の重要無形民俗文化財に指定されている。 一方、「なまはげ太鼓」は伝統的な郷土芸能かといえば、そうではない。 地元の若者たちが町興しのために十数年前から始めたもの。 伝統的な郷土芸能に育てていこうという志を持った若者たちの集まりなのだ。 メンバーは全員で20名、女性のメンバーも数名いるという。 この日の奏者7名の顔ぶれ。 7名のうち、20歳代前半が6名、最年少1名は高校生だという。 序奏のソロ奏者(冒頭の写真)でもある。 この日の演目は、「神参(しんざん)」、「陽照弐翔(ひでにしょう)」、「島風(しまかぜ)」の3曲。 このほかに、「孔雀」、「春風」と題する曲もある。 すべて、若者たちの作曲によるという。 和太鼓の作曲はどのようにして行うのだろうか、メインのリズムに、2種、3種と別のリズムが合いの手となって重なり合う複雑な構成である。 1曲目の「神参」は、ナマハゲの姿で演奏され、大晦日の柴灯まつりの夜、神の遣いのナマハゲが山から下りて家々をまわり、予祝を与え、山に帰る様子を和太鼓で表現したものだという。 2曲目の「陽照弐翔」は、男鹿半島の神々にまつわる伝説を和太鼓で表現したものだという。 各メンバーが次々とソロでつないで和太鼓の強烈な響きが流れ続き、エンディングに流れ込む。 エンディング!の図。 和太鼓集団『恩荷(おんが)』の名の由来。 この日、訪ねた「なまはげ館」での説明書きの中に「...蝦夷首長『恩荷(おが)』が...」との記述があった。 地名の「男鹿(おが)」は、蝦夷の首長の名、「恩荷(おが)」に由来しているのである。 7世紀半ばの飛鳥時代に現在の秋田市周辺の蝦夷の長であった恩荷は、「おが」、「おんが」のふたつの読みがあるという。 和太鼓集団の名称「恩荷(おんが)」の由来について、リーダーはお客さんたちの応援や地元の応援を「荷」と思い、その恩に報いるためというような話をしていたように記憶する。 勿論、男鹿の地名の由来である蝦夷の長の「恩荷」のことを踏まえた上でのことであろうと理解している。 お金の話。 なまはげ太鼓ライブは、ウィークデーは有料、土・日曜は無料となっている。 我々が聴かせて貰ったのは土曜日で、無料の日。 太鼓集団のメンバーは、勤め人であったり、学生であったりで、プロではない。 太鼓の皮は破れる、皮の張替え費用は必要だ。 撥だって折れる、それを購う費用も必要だ。 そのほかにも諸々の運営費が必要だ。 和太鼓集団「恩荷」は自主運営であるから補助金はないという。 よって、寄付、というよりも、お客さんから頂戴する、いわゆる「御捻り」とグッズ販売で得た利益が運営費になっているという。 演奏は下手糞ではない、というよりも、アマチュアしては上手すぎるくらいである。 御代を払うに値する演奏である。 ヨメは財布から千円札を取り出し、先ず、「御捻り」を、そして、帰り際には売店でナマハゲの刺繍の入ったハンドタオル2枚を千八十円也で購入。 因みに、この日の入場者は100名以上はいたと思う。 いいものを聴かせて貰った、見せて貰ったと話しながら宿に戻る。 翌朝、男鹿温泉郷を軽く散歩。 前夜のなまはげ太鼓ライブの会場、男鹿温泉郷交流会館「五風」に立ち寄る。 この紀行文は、「男鹿の秋風」「男鹿の春風」「男鹿の鈴風」 「男鹿の島風」「男鹿の寒風」の五編の構成になっているという。 この菅江真澄とこの紀行文のことは、前日、訪ねたナマハゲゆかりの地、真山神社の境内の案内板で知ったのだが...。 前夜、和太鼓集団「恩荷」のリーダーの挨拶の中で、「お帰りになったあと、男鹿温泉郷のなまはげ太鼓ライブを大いに宣伝していただき、全国の皆さんに男鹿へ遊びに来ていただきたく思っています」との言葉があった。 本ブログで大いにPRしたつもりだし、併せて、ここにポスターも貼っておこう。 フォト:2016年9月3日、4日
by ryujincho
| 2016-09-17 00:19
| 出羽国・陸奥国の旅
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