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龍人鳥の徒然フォト日記

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2015年 07月 05日

『 mm の世界/ルリチュウレンジ』

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昆虫班長の松柏木さんから<葛の葉>で虫探しのアドバイスがあった。
手賀沼南岸のサイクリングロード沿いに生えている葛の葉を1枚ずつ見る。
表だけではなく、裏面も。
葉の裏に黒っぽい虫を発見。
体長は10mmくらい。
『mm の世界』シリーズのひとつとして合格のサイズだ。

葉の裏にいる虫を撮るのはなかなか難しい。
で、葉を裏返しにし、虫がいる部分を表にして撮ることにした。
片手でカメラ、片手で葉を裏返す。
葉は元に戻ろうとするし、風で揺れるし、片手カメラだし、安定性に欠ける。
撮った写真40数枚はブレブレの超ピン甘。
それでも虫の名を調べる参考用として堪え得る写りの写真を数枚選んだ。

この虫はハチのように見えるが、そうではないようにも見えるところもある。
それはハチ独特の腰のくびれがないことだ。
かと言って、アブやハエかと言えば、眼や触覚、肢の生え方からしてそうではない。
ハチに絞って調べることにした。
図鑑を見る。
ミフシハバチ科ルリチュウレンジと判明。

ルリチュウレンジとはこれまた変わった名である。
その名の由来と漢字を調べてみた。
名前の由来はよく分からない。
漢字では「瑠璃鐫花娘子葉蜂」と書く。
漢字からその由来を類推してみる。

「瑠璃」:
全体的には黒っぽく見えるが、光線の具合でメタリックな紺色に輝いて見えるとのことだ。

「鐫」:
初めて見る漢字だ。
音読みで「セン」、訓読みで「のみ」、「ほる」。
「チュウ」という読みはない。
葉の縁に産卵管で穴を開けて産卵することから、「のみ」や「ほる」の意味を持つこの漢字が使われていると思われる。

「花」、「娘子」:
これらはよく分からないが、「鐫花娘子」をひとつの括りとして「雌が花の葉の縁に穴を開けて産卵する」ということにしておきたい。

「葉蜂」:
幼虫は葉の殆どを食い尽くすとのことだ。
そうしたことから「葉蜂(はばち)」とされているのであろう。
因みに、ルリチュウレンジはミフシハバチ科に属し、科名の「ミフシハバチ」は触覚が3節(第1節と第2節は短く、第3節が長い)ある葉蜂であることが由来となっているようだ。

幼虫はツツジの葉を食い尽くすとのことで害虫とされている。
そんな幼虫だが、興味深い昆虫である。

次回は、紺色に輝く姿を撮ってみたい。
ピンもぴたりと合わせて。


フォト:2015年6月30日、手賀沼南岸にて

by ryujincho | 2015-07-05 23:58 | 虫撮りの記(2015年) | Comments(0)


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