ネムノキが花を咲かせ始めた。
毎年、ネムノキの葉と花を見ると亜熱帯風を感じる。
しかし、万葉集に「昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ」、「我妹子わぎもこが 形見の合歓木(ねぶ)は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも」と詠まれた歌があり、芭蕉は「奥の細道」で「「象潟(さきかた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」と詠み、そして、美智子皇后陛下は高校生時代に「ねむの木の子守唄」を作詞されているなど、日本に馴染み深い植物である。
遠くから眺めていると、花は枝に止まる鮮やかな鳥のように見え、花をひとつずつ見ていくと、何とも繊細で美しい。
淡紅色の糸状の中でアリが一匹、遊んでいる。
私的昆虫図鑑用拡大版。
フォト:2014年6月16日、手賀沼南岸にて