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龍人鳥の徒然フォト日記

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2017年 02月 19日

『映画三昧/マグニフィセント・セブン』

原案『七人の侍』、『荒野の七人』 その魂を受け継ぐ『マグニフィセント・セブン』と冒頭に書かれた看板。
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原題は "The Magnificent Seven"。
近年、原題をそのまま、片仮名表記で邦題とする映画が多い。
配給会社に工夫がないと思うのが常。
ジョン・スタージェス監督、ユル・ブリンナー主演の『荒野の七人』(1960年)の原題も"The Magnificent Seven"。
前作と区別するため、今回の邦題は『マグニフィセント・セブン』としたのであろうと<好意的>に思いたい。

黒澤明監督、三船敏郎主演の『七人の侍』(東宝、1954年)は、筆者6才のときに公開された作品で、公開時リアルタイムでは観ておらず、後年、リバイバルで観た。
因みに、のちにシリーズとなる第一作目の『ゴジラ』も同じ年に公開されているが、これは観た。

余談ながら、2015年、世田谷美術館で開催された『東宝スタジオ展 映画=創造の現場』では「本展では、1954年に公開の2本の映画、東宝の代表作である『ゴジラ』と『七人の侍』に焦点をあて、美術の視点から特殊撮影と東京の時代劇の魅力を探ります」と述べられており、1954年のこの2作は、東宝の歴史において、そして、日本映画の歴史において、更に言えば、世界の映画史上において忘れてはならない作品なのである。
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ストーリーの基本は分かっており、安心して観ていられる。
新作では、基本のストーリーをどう展開するのだろうかという楽しみ方で観た。

特筆すべきは、音楽である。
作曲は、「タイタニック」ではアカデミー作曲賞を受賞しているジェームズ・ホーナー。
映画の前半、仲間がどんどん集まる場面で、エルマー・バースタインの作曲による前作のテーマ音楽の、あの ♪チャン、チャチャチャン、チャチャチャ、チャチャチャン♪ のフレーズを思わせる音楽が流れる。
そして、最後、事が成就し、”Magnicent 7”の文字が現れたときに、前作のエルマー・バースタイン作曲のテーマ音楽そのものが鳴り響いた。
鳥肌が立った。
思わず、拍手しそうになった。

そして、最後、事が成就したときに雇い主の女性が”Magnificent Seven”という言葉で彼らを讃える台詞に対する字幕は「崇高なる七人」であった。
また、鳥肌が立った。
思わず、拍手しそうになった。

この映画は、『七人の侍』と『荒野の七人』に対するオマージュだ。
「崇高なる七人」の言葉は、これら前2作に贈られた言葉でもあろう。
この映画は、『七人の侍』、『荒野の七人』の世代だけが楽しめる仕掛けが随所に散りばめられた作品でもある。
1966年生まれの監督、アントワーン・フークアに拍手!である。

邦題も、原題の片仮名書きである『マグニフィセント・セブン』で納得。
因みに、『七人の侍』の英語タイトルは"The Seven Samurai" である。
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フォト:2017年2月19日、丸の内ピカデリーにて
フォト#4:2015年4月9日、東宝スタジオ表玄関にて(アーカイブより)

by ryujincho | 2017-02-19 23:58 | 映画三昧 | Comments(0)


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