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龍人鳥の徒然フォト日記

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2015年 08月 05日

『オオムラサキ観察記』

6月下旬、かわせみ池近くのクヌギ林で昆虫少年ファミリーと出遭った。
1年ぶりのことであった。
昆虫少年のお父さんから荒川自然公園でNPO法人がオオムラサキを育てていて、それを見ることが出来るという情報を頂戴した。
ネットで検索してみた。
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荒川自然公園
オオムラサキ観察園
「NPO法人オオムラサキを荒川の空に飛ばす会」が昆虫観察園横の飼育ゲージで、国蝶のオオムラサキを育てています。
開園日時
平成27年6月13日(土曜)から平成27年7月26日(日曜)までの土曜・日曜・祝日(雨天中止)
午前10時から午後4時まで
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7月中旬、荒川自然公園内を訪ねてみた。
荒川自然公園は浄水場の上に造られた人工的な公園。
案内標識に従い、オオムラサキ観察園へと向かう。
飼育ゲージの入り口で虫眼鏡を貸してくれた。
飼育ゲージの中に入る。
昆虫が好む蜜の匂いがする。
子供から大人まで十数人がいる。
一眼レフを携えた<虫撮りおじさん>も二人ばかりいる。

既にマイ・ブログでオオムラサキの写真を幾つか掲載して来た。
このページでは観察記録風に掲載してみたい。

エノキの葉に白く並ぶオオムラサキの卵(既に孵化しており、卵殻となっている)。
その脇に1匹の<一齢幼虫>がいる。
オオムラサキの幼虫はエノキの葉を食べながら成長していくのである。
『オオムラサキ観察記』_a0289546_11255320.jpg
アップで。
『オオムラサキ観察記』_a0289546_11261230.jpg
エノキの木をひとつずつ見ていく。
別の葉に産み付けられた卵(これも卵殻)を見付けた。
『オオムラサキ観察記』_a0289546_11301794.jpg
更に幼虫も見付けた。
これは角や背中の突起の様子からして<二齢幼虫>のようだ。
『オオムラサキ観察記』_a0289546_11381869.jpg

ネットでオオムラサキの一生をベンキョーしてみた。
①産卵から5~10日で孵化し、一齢幼虫になる。
②一齢幼虫になってから1週間経つと1回目の脱皮がおこなわれ、二齢幼虫になる。
③二齢幼虫になってから20日くらい経つと2回目の脱皮がおこなわれ、三齢幼虫になる。
④三齢幼虫を40日くらい過すと3回目の脱皮が行われ、四齢幼虫になる。
 四齢幼虫で越冬する。
 越冬幼虫は体の色が落ち葉と同じ茶色となり、エノキの根元の落ち葉にはりついて冬を越す。
⑤5月の若芽が芽吹く頃、越冬幼虫はエノキに登りはじめる。
⑥木に登ってから20日くらいで茶色の皮から脱皮して、五齢幼虫になる。
⑦五齢幼虫になってから、2週間くらいで脱皮し、六齢幼虫になる。
⑧六齢幼虫は25日くらい経つと葉の裏に台座を作り、頭を下にして、ぶらさがり蛹になる準備にはいる。
 これを前蛹という。
⑨前蛹が2日続くと脱皮が始まり、蛹になる。
⑩蛹になってから15日くらいで羽化し、成虫となる。
 オスはメスより10日ほど早く成虫になり、6月下旬頃からその姿を見ることができる。

六齢幼虫。
『オオムラサキ観察記』_a0289546_12114930.jpg
『オオムラサキ観察記』_a0289546_18141262.jpg
『オオムラサキ観察記』_a0289546_18203156.jpg
蛹。
『オオムラサキ観察記』_a0289546_18323354.jpg
NHK総合テレビ「ダーウィンが来た/美しきファイター、国蝶オオムラサキ」(6月21日放送)で蛹の不思議な本能を知った。
その本能とは、天敵のカメムシが蛹の体液を吸おうと近寄って来たとき、蛹は体をぶるっと動かし、カメムシを追っ払うというものであった。
成虫も強い筋力の翅を持っており、その羽ばたきで樹液に集まるスズメバチやカブトムシを追っ払う能力を備えており、蛹も成虫も<ファイター>なのである。

吸蜜。
『オオムラサキ観察記』_a0289546_55063.jpg
飼育園では樹液の代わりにバナナを袋に入れてぶら下げているという。

成虫(♂)。
『オオムラサキ観察記』_a0289546_5513364.jpg

今年3月、バンナ公園(石垣島)のハウスでオオゴマダラを観ることが出来た。
昆虫は自然界で観るに越したことはないが、それが叶わなくても、<ハウスもの>、<養殖もの>で観ることが出来るということは幸せと思うべきであろう。

オオムラサキ観察園をあとにして、隣りのカブトムシ観察園へと向かった。


フォト:2015年7月11日、荒川自然公園/オオムラサキ観察園にて

by ryujincho | 2015-08-05 23:58 | 虫撮りの記(2015年) | Comments(0)


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