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龍人鳥の徒然フォト日記

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2015年 04月 07日

『やいま虫撮りの記/西表島の蝶@マリュドゥの滝展望台』 yym-23

西表島。
浦内川上流の展望台でふたつの滝を眺めながら昼餉を摂る。
ふたつの滝とは、マリュドゥの滝(手前)とカンビレーの滝(中央の、ずっと奥)である。
『やいま虫撮りの記/西表島の蝶@マリュドゥの滝展望台』 yym-23_a0289546_543367.jpg
ここまでトカゲには出遭ったが、所期の目的であるチョウにはまだ出遭っていない。
山裾から吹き上がって来る風に乗って、アオスジアゲハであろうか、アゲハ系が舞い上がって来る。
飛ぶのが速く、あっという間に姿が見えなくなった。

ズーム・アンド・ズームで、マリュドゥの滝を楽しむ。
『やいま虫撮りの記/西表島の蝶@マリュドゥの滝展望台』 yym-23_a0289546_5534058.jpg
『やいま虫撮りの記/西表島の蝶@マリュドゥの滝展望台』 yym-23_a0289546_554684.jpg
説明書きで「マリュドゥ」は「丸い淀み」の意味であることを知る。
『やいま虫撮りの記/西表島の蝶@マリュドゥの滝展望台』 yym-23_a0289546_556445.jpg
「丸い淀み」を意識して、もう一度、マリュドゥの滝を眺める。
『やいま虫撮りの記/西表島の蝶@マリュドゥの滝展望台』 yym-23_a0289546_5572174.jpg
以前は、マリュドゥの滝の近くまで行けたそうだが、事故が多いため、今は行けなくなっているという。

展望台の東屋の陰に隠れるようにとまっていた、いや、立っていた「西表島の蝶」を発見(???)する。
『やいま虫撮りの記/西表島の蝶@マリュドゥの滝展望台』 yym-23_a0289546_5575284.jpg
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西表島の蝶。
西表島には他県で見ることのできない熱帯系の蝶が数多く生息しています。
また、沖縄県の天然記念物に指定されているコノハチョウや「氷河時代の生残り」と云われるアサヒナキマダラセセリなど貴重な種類も少なくありません。

図/上段、左から:コノハチョウ、アサヒナキマダラセセリ、ミカドアゲハ、シロオビアゲハ
図/下段、左から:ツバベニチョウ、スジグロカバマダラ、オオゴマダラ、リュウキュウアサギマダラ

環境庁 沖縄県竹富町
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この図の中で、シロオビアゲハ、オオゴマダラ、リュウキュウアサギマダラの3種がこれまでに、或いは、その後、<虫撮り>が叶ったチョウである。
沖縄県指定の天然記念物、コノハチョウは、昆虫班長の六々さんの<虫撮り>写真撮を拝見し、また、石垣島/バンナ公園北口の「沖縄そば いしぐふー」の店先に置かれていた絵葉書でも見て、表翅の色は一定でないことを知った。

「氷河時代の生残り」と云われるアサヒナキマダラセセリ。
「氷河期の生残り」という言葉だけで、このチョウについて調べてみたくなる。
調べてみた。

先ず、その名前から。
アサヒナキマダラセセリは、分解すると「アサヒナ」+「キマダラ」+「セセリ」 であると容易に推測出来る。
「アサヒナ」は、1962年、石垣島で朝比奈正二氏が初めて発見したことによる。
学名:Ochlodes asahinai Shirozu, 1964 にもその名が見られる。
「キマダラ」は「黄斑」であることは言うまでもなきことかと。
因みに、セセリチョウの「せせる」という言葉は、つつきほる、ひっかいてほじくるという意味で、この蝶の吸蜜や飛ぶ様子を表わしているという。

次にその生態などを。
石垣島と西表だけに生息し、大陸と琉球列島がまだ続きった氷河期に移り住んだ遺存種であることから「生きた化石」と称される。
1年のうち、所定の期間だけ成虫で現れるのは北方系の蝶の特徴といわれ、同種の蝶がヒマラヤや中国の山岳地帯に生息している。
幼虫は於茂登岳など標高の高い山頂付近にのみ生息している。
幼虫の食草はイネ科のリュウキュウチク(琉球竹)。
与那国島にもリュウキュウチクはあるが、高い山がないため、このチョウは生息していないという。
環境省レッドデータブックのリストで、絶滅危惧種Ⅱ類となっており、卵、幼虫、成虫の採集は禁止されている。
因みに、禁止事項の中に「虫撮り禁止」の文字は見当たらない。


フォト:2015年2月25日、西表島

by ryujincho | 2015-04-07 08:53 | やいま虫撮りの記(2015) | Comments(0)


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